
男性看護師が少ない理由
なぜ男性看護師の数は女性看護師に比べて少ないのでしょうか?考えられる理由をいくつか紹介します。
年収の面でのギャップ
まず挙げられるのは、年収の問題です。一般男性の平均年収と比べると、男性看護師の年収はやや低い傾向にあります。たとえば、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると看護師全体の平均年収は約480万円ですが、国税庁の調査による男性全体の平均年収は約569万円となっています。
看護師には夜勤手当などがつくため、実際の年収がこれより高くなることもありますが、単純に比較しても80万円もの差がついてしまうと、「職業」として選ぶのは躊躇してしまいますよね。
精神的・身体的な負担の大きさ
看護師の仕事は心身ともに大きなエネルギーが必要です。夜勤や残業によって生活リズムが崩れる、患者さんの死に立ち会う場面がある、クレームに対応するなど、精神的な負担が大きい場面も少なくありません。また、男性であることを理由に、体格の大きな患者さんの対応や、入浴・排泄の介助など、体力を要する業務を任されることも多く、身体的な負担も重なりがちです。タフさが求められる仕事なので、そうした大変さから男性看護師はまだ少ないのかもしれませんね。
職場の人間関係に戸惑ってしまう
看護業界では女性が約91.5%を占めているので、男性看護師は肩身が狭く感じてしまうこともあるようですね。女性同士の関係性の中に入りづらさを感じたり、会話のテンポや感覚の違いに戸惑ったりすることもあるでしょう。
また、女性患者の中には、シャワーやおむつ交換などのケアを男性にされることに抵抗を感じる人もいます。「女性の看護師に代わってください」と頼まれることもあり、そのたびに傷ついたり、無力さを感じて自信をなくしてしまう人もいるようです。
相談できる相手がいない
男性看護師ならではの悩みや今後のキャリアについて、同じ立場の人に相談したいと思う人もいるでしょう。しかし、男性看護師の数が少ない職場では、身近に相談できる相手がいないというケースもあります。また、上司が女性の場合、「気軽に話せない」「悩みを相談してもうまく伝わらない」「気持ちを理解してもらえない」と感じることもあるようですよ。
キャリアの選択肢が限られてしまうことも
将来のキャリアについても、不安を抱える男性看護師もいるようです。職場によっては男性の管理職が非常に少なく、昇進の機会が限られていることもあるからです。
また、女性看護師には妊娠・出産・育児などのライフイベントに対応した支援制度が整っている一方で、男性向けのキャリアパスが明確ではなく、「自分がどう成長していけるのか」と不安を感じる人もいます。
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看護業界は女性が多く活躍している
男女比率はどれくらい?
男性看護師は全体の約8.5%と女性看護師に比べると少なめですが、近年は少しずつその数が増えてきています。救急や精神科などで活躍しており、現場の負担を和らげる存在としても大いに期待されていますよ。